
「夜の店って、どうせお酒と会話で終わりでしょ?」
昔の僕は、そう思ってた。
でも、現実は違った。
夜の世界は、驚くほど“人間くさい”場所だった。
🌃 一杯のお酒より、心の居場所が求められていた
ある晩、常連のお客様が静かに言った。
「ここに来ると、仕事のストレスを少し忘れられるんだよね。」
ただのお世辞じゃなかった。
その一言が、深く心に残った。
僕たちが届けているのは、
「酒と接客」だけじゃない。
“誰にも言えない本音”を、そっと置いていける空間なんだ。
🕊 静かに、でも確かに届く夜のドラマ
別のある夜、若いカップルが来店した。
でも空気が、どこか重かった。
しばらくして、ぽつりと打ち明けられた。
「実は…婚約を解消しかけてて。今日が“最後の思い出”なんです。」
そのとき僕らは、
余計な言葉を一切挟まず、ただ“居心地”を整えた。
そして帰り際、ふたりは静かに笑ってこう言った。
「来てよかった。ありがとう。」
あの瞬間の表情、今でも忘れられない。
🌌 この場所は、“人生の交差点”だった
仕事に疲れた人。
忘れたい記憶を抱えている人。
大切な誰かと、静かに時間を過ごしたい人。
そんな人たちが、この店にやってくる。
目的はひとつじゃない。
“自分を取り戻せる一瞬”を探しに来る。
そんな空間が、確かに求められていた。
✨ 偏見では見えない、夜の“本当の価値”
もし今、「夜の仕事=軽いもの」と思っているなら、
それは、まだ本質を知らないだけかもしれない。
ここには、感情の揺れも、人生の痛みも、静かな希望もある。
だからこそ、
僕はこの仕事を“本気”でやっている。
誰かの気持ちを、ほんの少し軽くするために。
バンコクで生きる謎の日本人


📘 締め:この経験で得たものと伝えたいこと
「タイでナイトクラブを経営しています」そう言うと、多くの人が驚き、時には偏見の目で見てくる。 でも僕にとって、この場所はただの“夜の商売”じゃなかった。 人生で一番…
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